平成26年度税制改正が12月12日にリリースされました。今回は、その中の「相続税の取得費加算の土地特例の廃止」をご紹介します。

  
 相続税の取得費加算の特例とは、相続で取得した財産を売却した場合、その譲渡所得の計算上、納付した相続税額を譲渡収入から控除することができ、譲渡所得税・住民税の負担を軽減できる制度です。相続税の申告期限の翌日から3年以内に譲渡することが要件となります。

 (例)売却した財産   株式(相続で取得) 
    売却金額   500万円
    取得費     400万円
    納付した相続税額(株式対応分) 100万円
 
 この場合、株式の譲渡所得は、500万円-(400万円+100万円)=0となります。

 この相続税の取得費加算の特例は、土地についてはさらに特例があります。それは、売却した土地に対応する相続税額だけでなく、まだ保有している土地に対応する相続税額も控除できるというものです。

 (例)相続した土地   土地A、土地B
    売却した土地   土地A 
    売却金額   500万円
    取得費     400万円
    納付した相続税額(土地A対応分) 60万円、(土地B対応分)40万円

 この場合、土地の譲渡所得は、500万円-(400万円+60万円+40万円)=0となります。土地については、このように売却した土地に対応する相続税額に限定されず、保有している土地に対応する相続税額も控除できてしまいます。これにより、相続で取得した土地を相続税の納税資金として売却したりする場合にかなり譲渡所得税が軽減できていました。

 今回、この土地の特例が廃止となり、今後は、売却した土地に対応する相続税額しか控除できないことになります。自宅の敷地など保有しているものに対応する相続税額は使うことができません。適用開始は、平成27年1月1日以後に相続により取得した土地を譲渡した場合から適用されます。

 多額の納付した相続税を有効活用するには、この土地の特例は非常に効果的でした。すでに相続が終わり、複数の土地を相続された方は、申告期限から3年以内でしたらまだこの特例が使えます。賃貸アパートなど収益物件があれば、不動産管理会社を設立し、法人に売却する場面でもこの特例は使うことができます。所得の移転もでき、また納付した相続税の経費のように譲渡収入から控除できるので、ぜひご検討ください。

(注)この記事は、税制改正大綱にもとづいて記述しています。実際の税務判断は、国会で決定される税制改正に基づいて行って下さい。