貸店舗の建設協力金、預かり保証金の債務控除

老人ホームの運営会社から建設協力金15億円、保証金10億円の支払を受けて、施設を建設した地主の方から相続税の債務控除の相談がありました。

建設協力金、20年間据置き後、無利息で分割返済する契約内容となっています。保証金は契約終了後無利息で返還します。

相続税の債務控除について、無利息の長期債務については債務額全額を控除できるわけではなく、経済的利益の現価相当額を減じた額になると聞きました。上記の建設協力金、預かり保証金の債務控除額はどのようになりますか。
まず建設協力金についてですが、建物の賃貸人が賃借人と賃貸料を取り決めをする際、建設協力金を無利息または低利率で受け入れているときは、その建設協力金を受け入れたことのより享受する経済的利益を考慮して、実際の賃貸料を決めるていると考えるのが通常です。つまり、賃貸料と金利とは相殺関係にあり、賃貸人は受け入れた建設協力金について実質的に金利を負担していることになります。したがって、建設協力金については負債15億円をそのまま債務として控除することができ、無利息または低利率による経済的利益の現価相当額を減じる必要はありません。

次に無利息の保証金ですが、これは無利息または低利率による経済的利益相当額を減じなければなりません。したがって、10億円全額が債務控除の対象になるわけではありません。