親の土地の上に子がアパートを建てる場合の所得税、相続税の節税対策

親名義の土地の上に子名義で収益物件を建てる場合の相談事例です。

親が所有する遊休地にアパートを建てることになりました。 敷地は親名義です。相続税の節税対策としては、親が銀行から借入れをして、アパート(親名義)で新築することにより、(1)借入金の債務控除の節税効果、(2)貸家建付地としての土地の評価減による節税効果が可能となります。

しかし、今回は、親が銀行借入れすることを嫌がっており、また親の所得税の税負担が高額となることから、子名義で銀行借入をして、子名義でアパートを新築することになります。ハウスメーカーからこの建て方でも親の土地の相続税評価で貸家建付地評価がとれるから相続税の節税になると聞いていたようですが、心配されて相談に来られました。

親の土地のうえに子が建物を建てるため、子に対して「借地権の認定課税」の問題が生じます。これを回避するために、子は親から無償で土地を借りるか、固定資産税相当ぐらいを支払うという使用貸借にします。

この場合、子がアパートを建てても、親の土地の相続税評価額は、残念ながら自用地(更地)評価となり、貸家建付地評価は認められません。つまり、相続税の節税対策にはなりません。ただ、家賃収入が子に入り、(1)親の課税財産の増加を防止できること、(2)子に相続税の納税資金を蓄積することができるというメリットはあります。ただ、それほど効果的なスキームではありません。

そこで、相続税、所得税ともに節税効果が生じる資産法人のスキームをご提案しました。

相続税、所得税の節税効果が生じる資産法人のスキームとはどのようなものですか。
資産法人とは、個人の不動産の管理業務を行う不動産管理会社とは違い、不動産自体を法人で所有する形態をいいます。

そのメリットは、
1.法人に家賃収入が入るため、土地所有者である地主の方の個人の所得税の増加を防止できる
2.法人の役員に土地所有者の相続人(子)がなることで、役員報酬という形で子に相続税の納税資金を蓄積できる
3.所得の分散ができるので、世帯全体の所得税・住民税の負担が軽減される
4.土地の相続税評価額が自用地(更地)価額から20%引き下げることができる
があります。

今回は、特に上記4の相続税評価額が20%引き下げることができ、相続税の節税ができる点が大きく違う点です。

  仮に借地権割合が60%の地域で、貸家建付地評価が適用できるとした場合、相続開始時点で空家がなければ18%評価額を引き下げることができます。もし空家となっていれば18%よりも引き下げ割合は下がってしまいます。一方、資産法人の場合は、空家であっても一律20%引き下げることができます。貸家建付地評価よりも若干ではありますが評価額を下げることができます。

また、子が建てる場合と同様に「借地権の認定課税」の問題が生じるため、それを回避するために、無償返還届を税務署に提出するとともに、地代を通常の地代に設定し、地主に支払う必要があります。

地代を無償としてしまうと自用地(更地)評価となり、相続税の節税効果は得られません。

全体のスキームとして、
金融機関から融資の内諾 → 資産法人の設立 → 借地権認定課税回避のスキーム構築
が必要です。