
賃貸不動産を利用した節税
移転させる財産は、賃貸している不動産があれば、その賃貸用の建物がベストです。それは、賃貸用不動産を生前贈与することにより、家賃収入(不動産所得)自体を子供などに移転させることができるからです。財産の移転と所得の移転の両方を実現することができます。
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賃貸アパートの生前贈与
親が賃貸アパートを所有している場合、土地と建物の両方を生前贈与する方法と建物だけを生前贈与する方法があります。建物だけを生前贈与する場合には、土地の所有者は親、建物の所有者は子となり、地代の授受をどうするかが問題となります。
賃貸アパートを親が子に贈与した場合、子は親に地代の支払いをしなくても借地権の認定課税の問題は生じません。
したがって、地代の支払いはしないで、使用貸借(無償で借りる)がベストです。

賃貸アパートを子に贈与したため、親の相続財産は減り、また、不動産収入は今後は子の方に移転し、所得の分散も可能となります。親は子から地代を受け取らないので、不動産収入は発生せず、所得税の負担はありません。
また、親が所有する土地の相続税評価額は、子から地代を収受していなくても「貸家建付地」として評価することができます。
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ポイント |
賃貸アパートの生前贈与を行う場合には、必ず「預り敷金」相当額を現金で同時に贈与する必要があります。賃貸アパートのみの贈与を行った場合、負担付贈与に該当し、贈与財産を「時価」で贈与したものとなってしまいます。負担付贈与を回避するために、賃貸アパートを贈与するときに、敷金相当額を現金で同時に贈与します。
(例)賃貸アパートの相続税評価額 2,000万円(時価 2,500万円) 預り敷金相当額 200万円
贈与税の課税対象額=2,000万円+(200万円(※1)-200万円(※2))=2,000万円
※1:預り敷金相当額の現金の贈与分
※2:預り敷金(債務)
<参考>
賃貸用不動産の贈与(負担付き贈与)
【照会要旨】
父親は、長男に対して賃貸アパート(建物)の贈与をしたが、本件贈与に当たって、賃借人から預かった敷金に相当する現金200万円の贈与も同時に行っている。この場合、負担付贈与通達(平成元年3月29日付直評5外)の適用を受けることとなりますか。
【回答要旨】
敷金とは、不動産の賃借人が、賃料その他の債務を担保するために契約成立の際、あらかじめ賃貸人に交付する金銭(権利金と異なり、賃貸借契約が終了すれば賃借人に債務の未払いがない限り返還されます。)であり、その法的性格は、停止条件付返還債務である(判例・通説)とされています。また、賃貸中の建物の所有権の移転があった場合には、旧所有者に差し入れた敷金が現存する限り、たとえ新旧所有者間に敷金の引継ぎがなくても、賃貸中の建物の新所有者は当然に敷金を引き継ぐ(判例・通説)とされています。
ところで、照会のように、旧所有者(父親)が賃借人に対して敷金返還義務を負っている状態で、新所有者(長男)に対し賃貸アパートを贈与した場合には、法形式上は、負担付贈与に該当しますが、当該敷金返還義務に相当する現金の贈与を同時に行っている場合には、一般的に当該敷金返還債務を承継させ(す)る意図が贈与者・受贈者間においてなく、実質的な負担はないと認定することができます。
したがって、照会の場合については、実質的に負担付贈与に当たらないと解するのが相当ですから、負担付贈与通達の適用はありません。
(注) なお、照会の場合については、実質的に負担付贈与に該当せず、譲渡の対価がありませんので父親に対して譲渡所得に係る課税は生じません。
【関係法令通達】
平成元年3月29日付直評5外「負担付贈与又は対価を伴う取引により取得した土地等及び家屋等に係る評価並びに相続税法第7条及び第9条の規定の適用について」
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